研究テーマの3つの柱
現在、私たちの研究室で進められている研究テーマは次のように大別できます。
- タスク指向・システム統合による自律ロボットの高度な動作の実現
- 移動ロボット・知能ロボットのための新しい要素技術の開発
- 研究用プラットフォームとしての自律移動ロボット「山彦」の開発
これらはいずれも研究の内容や分野には重なりがあります。しかしこの分け方により、個々の研究テーマの目的と性格付けが明確になり、ロボット工学でおちいりがちな、「目的が不明」の研究となることを避けたいと考えています。
現在進行中、あるいは、私たちが現在興味を持っている具体的な研究テーマは次の通りです。
具体的な研究テーマ
1. タスク指向・システム統合による自律ロボットの高度な動作の実現
- 屋内・屋外の実環境中の自律ナビゲーション
- 人間と共存して生活空間で働く自律ロボット
- インターネット等を介して遠隔地で代理身体として働く移動ロボット
- 未知環境における環境地図作成と自己位置同定
- 複数の自律ロボットの協調による環境内の探索
- ロボット技術を応用した警備・監視システム
- マニピュレータ搭載移動ロボットによる物体操作
- 建設作業や農作業のための自律移動機械
2. 移動ロボット・知能ロボットのための新しい要素技術の開発
(a) 自律ロボットの構成法とコントローラ
- 自律ロボットの機能アーキテクチャとデザインガイド
- コントローラのハードウェアとソフトウェア - 小型・省電力のコントローラ/分散型ロボットコントローラ
- ロボットの行動や作業の記述法と行動記述言語
- ロボットプログラムの開発環境
(b)車輪型移動ロボットのメカニズムと制御
- 走行制御言語と走行制御システム
- 小型メカニカルシステムの制御技術
(c)センサと環境認識
- 2次元・3次元測域センサの開発
- ロボット用アクティブビジョン/2眼ステレオによる環境の認識と障害物検出
(d)移動体の自己位置推定技術
- オドメトリと外界センサ情報の融合による現在位置推定
- 拡張カルマンフィルタ/GPSの利用/ポジショニング用ランドマークセンサ
- 自動的な環境地図情報との照合による自己位置認識
(e)移動による環境の認識と地図の生成
- SLAMの枠組みによる地図の自動生成
- 測域センサを用いた環境認識と地図生成
- 移動環境認識の機械学習的アプローチ
(f)移動ロボットのためのヒューマンインタフェースと遠隔操作技術
- 車輌の新しい操縦インタフェース
- ロボットの状態とロボットの周りの環境を人に伝える表示システム
3. 研究用プラットフォームとしての自律移動ロボット「山彦」の開発
標準機能を有する車輪型移動ロボット
- 標準的な走行制御言語と走行制御システム
- 環境モデルの維持と経路計画サブシステム
- 自己位置推定サブシステム
- 複数のロボット間の通信ネットワーク